歯脈(手の陽明大腸経)を使う。
場合によって、マッサージを併用しても良い。
痛みや腫れがひどいときは、刺絡治療も良い。
歯周病とは、細菌(歯周病菌)の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。
歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。
歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し歯肉の辺縁が炎症を起こして赤くなったり、腫れたりします。
しかし、痛みはほとんどの場合ありません。
痛みがないので、さらにヤマイが進行し、膿(うみ)がでたり、歯がグラグラ動揺し、最後は歯を抜かなければならなくなります。
むかし、歯槽膿漏とも言われました。
歯をうしなう、一番の理由が歯周病です。
長生きをしたい人は、ひどくならないうちに治療しておきたいですよね。
ここでは、日々の歯周病ケアは、日々の歯磨きに譲るとして、①歯ぐきが腫れ、痛む場合、②歯周病とは少し概念が違うが、「歯が浮いて、どうも気持ちが悪い時」の治療もあわせて書いておく。
とう言うか、マル2番の方がメインかな…。
手の陽明大腸経を使うのは、もちろんの事だよね。
学生のころで、よく物事を知らなかった頃の私は、「歯、なのに、大腸経?」と思ってました。
「消化器の一番初めが、歯だからかな…?」などと考えてました。
しかし、そうではなく、正経十二経が定まる前の古代中国では、大腸経のことを、「歯脈/しみゃく」と呼んでいました。
歯と関係する経絡です。
しかも、正経十二経ではなく、経絡も十一本しかありませんでした。
心包経を新たに足して、11から12にしたのです。
歯脈を大腸経にしたのは、大腸を担当する経絡がなかったので、消化管のつながりもあったので、歯脈を大腸経と名乗らせ、
11本から12本にしたのは、偶数にした方がバランスも良く、陰陽の配置が完ぺきな美しさになったからでしょう。
完璧な美しさはほこっても、じっさいの人体とは、少し離れます。
「乖離/かいり」とまでは言いません。
古代中国の医学者の、努力の結晶ですから。
カイリとは言いませんが、それでも、じっさいの人体とは離れますので、読み解くときに工夫が必要です。
よく使うツボとしては、やはり、合谷穴でしょうか。
手の甲には、神経がたくさんあるので、私は、02番鍼など、ごく細の針を使い、スーッと刺入し、しばらく置鍼します。
手の緊張が徐々に取れてくると同時に、歯と歯ぐきの痛みも和らぎます。
もちろん、経絡の表裏を考えて、手の太陰肺経なんて、使いません。
歯のことは、歯脈にまかせましょう。
痛みはもちろんですが、上の2番の、「歯が浮いて、どうも気持ちが悪い時」なんかにも使います。
つぎに、マッサージの免許をもっている人は、マッサージも良いでしょう。
グローブを手にはめ、口腔に指を入れさせてもらってマッサージをします。
もし、それを拒否されたら、皮膚の上(顔面から)でも良いので、マッサージします。
基本は、前歯から奥歯に、歯の根元から歯の先端に向かって、マッサージします。
ちなみに、日々の歯磨きも、歯中心の歯磨きではなく、歯ぐきのマッサージを心がけてください。
歯ぐきの腫れや痛みが尋常ではなく、患者さんが、少々乱暴な治療もいとわないというなら、シラク治療も良いでしょう。
一番腫れていて、痛みが強い場所に向かって、サンリョウ鍼を刺しいれます。
出血をしますので、飲み込まない方がいいでしょう。
だ液と一緒に、血を吐き出させてください。
傷口は、自然とふさがります。