魚の目
Y・Y 様。70歳代前半、女性。
主な症状
本日は、魚の目の痛み。
症状
いつもは「肩コリ」で来院の患者さん。本日は魚の目が痛いと言う。
「痛みがきつく歩けない。左足はましなので、体重をそちらにかけてなんとか歩けるが、右足はつくのがつらい」と言う。
東洋医学的 四診
脈診/ 脈は沈脈。脈管は力なく、抑えるとへしゃげる。不整脈もあり。
舌診/ 舌体は紅色。苔はあるが、薄い白苔。
腹診/ 全体的に冷えている。下焦は張る感じ。
触診/ 両脚とも、冷たい。痛みの強い右足の方が冷えている。
概念的理解
症例が「魚の目」なので、脈診、舌診、腹診の検証は省略します。
ただ、日常的に冷えがきつく、魚の目を発症される前の約3週間前には、両足(太もも)がたまらなくだるくなり、外出先から帰ってから3時間ほど動けなくなったり、両足のふくらはぎがだるくなり、痛みが出たり(約1か月前)など、魚の目の発症につながる諸症状はすでに出ていた。
皮膚の病の「魚の目」といえど、その人にはその人なりの、「歴史」がある。
その歴史をひも解かなければ、病の本当の原因など解らない。
治療と経過
初診 某年 10月中旬
治療は「法」に従う。
まず、全体を整える鍼をする。
患部(魚の目)への透熱灸(とうねつきゅう)。
右は約七荘で、左は約三~五荘で熱さが通る。
治療直後 直後の変化は特になし。
第二診 初診から、3日後
治療は第一診に同じ。
第三診 第2診から、4日後
「痛みが少しましみたい」との事。
治療は第一診に同じ
その後、だいたい週1のペースで「肩こり」と「足の冷え」の治療と合わせて、治療。
第五診(発症から約二週間後)には痛みはほとんど取れている。
約三ヶ月後には、魚の目はすっかり消えた。
感想
この患者さんの「魚の目」の場合は、「日常的なきつい冷え」から始まり、「両足・太もものだるさ」、「両足・ふくらはぎのだるさ」などの諸症状がベースにあり、魚の目の発症につながりました。
魚の目には、直接灸が効果的であると云う事は、昔から知られています。
とくに、「透熱灸」といって、ひねったもぐさを燃やし切り、熱をズーンと浸透させるお灸が効果的です。
私も何度か、自分自身の魚の目を、直接灸で治しています。
魚の目の「痛み」については急速に治まる事が多いのですが、魚の目の「芯(しん)」が残っていたりすると、再発を繰り返すことが多く、厄介(やっかい)な症状と言えば、厄介です。
しんが残ったり、再発するのは、お腹を整えていないからです。
この患者さんの場合は、下焦の水っぽさや、腹部の「寒」に対する治療を十分やっておかなければなりません。そうしないと、しんが残ったり、再発します。