夜泣きと夜眠るのが遅い症状が、徐々に改善していった症例。

小児鍼症例①  夜泣きと夜眠るのが遅い症状が、徐々に改善していった症例。

患者/1才6か月・男児。

主な症状(主訴)/夜泣きと夜眠るのが遅いこと。

症状(現病歴)/
 9月中旬より断乳(初診は11月14日/断乳時の男児の年齢は1歳4か月)。その頃から、夜泣きをするようになる。
 暗くなると怖がって寝ない。
 早く寝かしつけると、深夜1時くらいに起き出し、早朝5時くらいまで寝ない。夜12時くらいに寝ると、8時くらいまで寝ている。
 昼寝は2時間ほどするが、昼寝を良くしてもしなくても泣く。

その他
 ・手術や長期入院などされましたか? いいえ
 ・生まれたときの体重 3284g
 ・現在体重 約11㎏
 ・ご飯は? よく食べる
 ・便は? 普通
 ・睡眠時間 夜12時ごろ~朝8時ごろ
 ・昼寝は? する
 ・分娩 帝王切開
 ・食物アレルギー ない
 ・紙おむつ している
 ・保育所 行っていない

東洋医学的 四診(所見) 

 頭皮が硬い印象(帝王切開の影響もあるので、関係ない情報かもしれない)。
 頭部の額部に邪気のライン。
 それ以外は手に触れる症状は無し。
 下腹部の虚も背部の邪気も感じられない。

治療と経過

治療方針
  おそらく頭部にある邪気のラインによって脳が刺激され、夜泣きを起こしたモノと判断し、これを取り除くを第一に考え治療を行う。

初診(某年11月14日)
 頭部の邪気をハラウことに重点を置くが、そればかりやっていると、治療部位が頭部に集中し、(いわゆる東洋医学でいうところの)「気」が上昇する恐れがあるので、全身にバランスよく治療を施す。

第二診(11月15日)
 昨夜の睡眠は深夜1時から8時まで。
 初診時には気にならなかったが、男児の「肩こり」が顕著になる。
 治療は「第一診」に加え、肩こり部ももみほぐすように施術。「もみほぐす」と言っても、小児なので手技は柔らかくする。

第三診(11月16日)
 昨夜の睡眠は夜12時から9時まで。肩のコリがずいぶんマシになる。頭皮の硬い印象も薄れる。

第四診(11月17日)
 昨夜の睡眠は夜12時半から10時まで。

感想(考察)

 第1診から第4診まで、4日間連続で来院されましたが、それ以降来なくなりました。
 お母さんとしては、「8時とか9時に寝かせつけたい」という気持ちが強かったのかもしれません。
 私としては、徐々に睡眠時間が延び、途中覚醒が無くなったので、「良い治療ができている」と判断しました。
 お母さんが求めるものと、こちらが求めるものが違うと、なかなかうまく治療ができません。
 
 1歳4カ月と、少々遅い時期の断乳になっていますが、問題ありません。2歳・3歳になっても断乳で来ていないお子さんはたくさんいます。
 断乳の時期は問題ありませんが、断乳時というのは、子どもが不安に陥りやすい時期です。
 断乳したからと言って、「もう乳児から幼児になったのよ」と突き放してはいけません。
 突き放すのではなく、よりいっそうスキンシップをとる方が良いでしょう。

 お子さんの安心につながります。