夜泣きがピタッと止まった症例

小児鍼症例⑧ 夜泣きがピタッと止まった症例。

患者/0才8か月・男児

主な症状(主訴)/かん虫・夜泣き。

症状(現病歴)
 寝入ってしまえば朝まで寝てくれるが、1時間ほどだっこしてあやさないと寝ない。
 
その他
 ・手術や長期入院などされましたか? いいえ
 ・生まれたときの体重 2800g
 ・現在体重 8.2㎏
 ・ご飯は? よく食べる。
 ・便は? 普通。
 ・睡眠時間 10時から7時。
 ・昼寝は? する。時々。
 ・分娩 普通。
 ・食物アレルギー 不明。

東洋医学的 四診(所見) 

 背中の左肺のやや下に、少し熱感を感じた。
 そのほかは、とくに夜泣きやかん虫をするような子どもに思えなかった。
 「カゼをひきやすい」とのことだが、風邪気味でも風邪気味じゃなくても夜泣きはするらしい。
 
治療方針
 原因がはっきりしないが、左の肺の熱感を感じたところを中心に小児はりをする。
 原因が分かっても、分からなくても治療できるのが、鍼灸のすばらしいところです。

治療と経過

初診(某年10月25日)
 治療は「治療方針」に従う。
 左肺部(背中)を中心に、熱をさばくような感じで、小児鍼をする。

第二診(10月30日)
 初診の夜から、「ピタッと夜泣きがやんだ」と言う。
 本日は、カゼをひいたみたいなので、「念のため」来院したという。

 第三診以降は、「子どもの調子が悪くなると来る」というカタチで、不定期の通院となりました。

感想(考察)
 大人の病(やまい)の場合、「理由が良く分からない」という疾患は、長期化・難治症化する傾向にありますが、子どもの場合はその逆で、なぜ夜泣きするのか、なぜかん虫を起こしているのか、理由が良く分からない方が早く治るように感じます。
 「これこれこういう理由で、夜泣きを起こしています」と明確に理由がある場合は、その原因を取り除いてやらないと治らない訳で、その理由を取ってやらないと、夜泣きは治りません。
 
 これほどピタッと治るときもあります。
 いつもこうなら、良いですね。(笑)