「心の病」からくる諸症状
うつ病になってしまった時、またはなりそうな時に読むページ
● はじめに
このページは、「書きかけ」のページです。おそらくこのページを書き終わる事は無いでしょう。なぜなら、このページは私と患者さんとの会話の中から、少しずつ書かれていくものであり、その会話には、終わりがないからです。
また、私自身が、人間としてまだまだ未熟で、とても偉そうに、「あなたはこうだよ」とか言えないからです。ですのでこのページは、私の「ライフワーク」として、少しづつ書きくわえ、修正していきたいと思います。
それでも、鍼灸師として約25年ほど過ごしました。その間、患者さんとの対話の中から、いろいろと大切なものも発見したので、ここに書いておきたいと思います。
● 「頑張らない」は、悪いことではない
まず、うつ病に限らず、心の病を抱えておられる方に多くみられるのは、「まじめ」で「頑張り屋さんだ」という事です。
「まじめ」だから、何らかの「許せない事」がおこってしまうと、許せなくなってしまいます。
「まー、良いや」とか、「そう云う事も、あるよね~」とか言えないので、それが心に負担になるようです。
そうしているうちに今度は、そういう「許せない事」を、簡単に許してしまえない自分が何か「小さい人間」に見えてくるのか、自分で自分が許せなくなってしまいます。
自分はちっとも悪くないのに、最後は自分を責めている自分がそこにいます。
「まー、良いや」は、色々な問題を、「受け流す」ことができる魔法の言葉です。
はい、「まー、良いや」と言いましょう。
「そう云う事も、あるよね~」は、色々な問題と「妥協する」ことのできる魔法の言葉です。
はい、「そう云う事も、あるよね~」と言いましょう。
はいそうです。悪いのはあなたではなく、ストレスを与えるような言動をする、「あいつ」です。
「あの野郎」が悪いという事は、私も十分わかっています。
しかし、「あんちくしょう」は、「ごめんなさい、私が悪かったです、反省します」と言ってくれますか?
おそらく言ってはくれないでしょう。
もしかりに言ってくれたとしてもその人が、本当の意味で改心し、反省し、自分の生き方まで変えてくれるでしょうか?
正直な話、そこまで期待はできないでしょう。
悪いのは、あなたではありません。
しかし、あなたが上手に受け流し、妥協しなければ、何も変わりません。
「まー、良いや」と、受け流してやってください。
「そう云う事も、あるよね~」と、妥協してやってください。
悪いのは、あなたではありません。
しかし、あなたが上手に受け流し、妥協しなければ、何も変わりません。
頑張り屋さんも要注意です。
「頑張り過ぎてるな~」と思ったら、迷わず休んで下さいね。
お願いします。
私たちは幸か不幸か、「頑張れ、がんばれ」と励まされて育ってきました。
何か「世の中的」には、がんばらないといけない雰囲気です。
がんばらない人は、悪者のようです。
たしかに、「勤勉」は良い事です。
まじめに働く、立派な事です。
しかし、それは、「心を壊す手前」までの話です。
心を壊してまで、がんばる必要がどこにあるでしょうか?
心が壊れそうになったら、いったん休みましょう。
心が壊れてしまったら、遠慮せずに、休みましょう。
休んで何が悪い。
心が「疲れた」と言うておるんです。
想像してください。あなたは南国に生まれました。
そこにはテレビも、洗濯機も冷蔵庫もありません。
日本ではあふれかえっている様な電化製品というものは何もありません。
しかし、手を伸ばせば果物が手に取れ、わずかな労働で主食にありつけます。
あとは、昼寝をしようが、散歩をしようが、あなたの自由です。
もしあなたが「南国」に生まれていたら、そんな生涯もおくれていたはずです。
そんな自由な生活をしているひとが、「もっと頑張らなければ」と、必死に生活をしていますか?
そんな自由な生活をしているひとが、「なぜ自分は、もっと頑張れないんだ」と、自分自身を責めていますか?
これは、「おとぎ話の国」の話ではなく、この同じ地球の上に存在する、実際の光景です。
もちろん、「南国」のは南国なりの悩みはあるでしょう。
西欧諸国や日本と比べれは「貧困」でしょうし、色々な工業製品がありませんから、不便な事は不便です。
しかし、広い広い世界には、がんばらなくても生きていける国もたくさんあります。
もちろん、この日本にも、がんばらなくても生きていける方法があるはずです。
一緒に探しに行きましょう。
「頑張る」という事は、大変素晴らしい事です。しかしそれは、心が壊れる手前までの話です。
心を壊してまで、がんばる必要はどこにもありません。
「頑張らない」という事は、悪いことではありません。自信を持って、「頑張らない」と宣言しましょう。
● 「心」の問題を「ココロ」で解決しようとしない
心の問題を、ココロで解決しようとする方がいます。
やめてください。
心が壊れた原因に、正面から向き合おうとする方がいます。
やめてください。
心が壊れそうになったら、心が壊れてしまったら、ココロで解決しようとしないでください。
あなたがつらくなるだけです。
あなたが疲れるだけです。
やめてください。
「そもそも論」をします。
聞いてください。
そもそも、あなたの心が壊れそうなのは、なぜですか?
そもそも、心が壊れてしまったのは、なぜですか?
それは、あなたの心が、「許せない何か」につまずいてしまって、立ち上がれなくなってしまったからです。
心の糸が切れてしまったからです。
心の糸が切れたり、心の軸が折れたりしているのに、どうやってココロで解決しようとするんですか?
精神的なものではどうにもこうにも出来なくなってしまったから、心を病んでしまったのですから、精神力で、どうにかできる問題ではありません。
やめてください。しんどいだけです。
じゃー、どうすれば良いでしょうか?
とにかく、体を動かしましょう。
まずは手っ取り早く、散歩に出かけましょう。体力がある人は、走っても良いでしょう。
バッティングセンター、ゴルフの打ちっ放し…。
何でも良いです。好きなものでかまいませんので、頭を使わない、体を使う事をしましょう。
とにかく、頭を使わない。考えない。脳みそに、考える時間を与えない。頭を空っぽにしましょう。
「頭を空っぽに」なんて言われると、「座禅」を思いつく人がいるかもしれませんが、一人で座禅をするのは危険です。
座っている間中、色々な事が頭を駆け巡り、余計に余計な事を考えてしまいます。
もし座禅を組むのなら、どこか座禅を組ましてくれるお寺に行って、たくさんの人と座りましょう。
禅寺には、「作務(さむ)」といって、庭仕事や掃除、農作業をさせてくれるところもあります。
作業中は、何も考えなくても良いので、助かります。
探して通って下さい。
自宅での座禅は注意が必要ですが、「写経」はぜひともおすすめします。
字を書いている間中は、何も考えずに、ただ丁寧に、ゆっくり書くことをお勧めします。
字の上手い下手を競うのではなく、どれだけ丁寧に、大切に書いたかを誇りましょう。
そして、大切に大切に書いた「般若心経」を、お寺に納めに行くのも良いでしょう。
もちろん、「とにかく体を動かしましょう」や「家にずっといると病気になるので、外に出ましょう」は、できる人だけで良いです。
うつ病にも、軽いものと重いものがあって、重度のうつ病になると、「家を出ることすらできない」という状態になりますので、周りの家族などは、無理やり引っ張って外に出たり、「がんばって」などと励ましたりするのはやめましょう。
本人は、もっとしんどくなります。
「とにかく体を動かしましょう」は、鍼灸院に来たり、ネットで解決方法を探したりしている、比較的軽い方に限られます。
重いうつ病の方は、何もしなくて良いです。
悪い事をしているわけではありません。
風邪をひいたら、寝てなくちゃいけませんよね。
それと同じです。
重度のうつ病の人は、無理をしてはいけません。
とりあえず、起きられるようになるまで、寝てましょうね。
また、問題に向き合う事もやめましょう。
もちろんゆくゆくは、ご自身の抱えておられる根本的な「原因」に向き合い、解決し、克服することがもとめられます。
しかしそれは、「ゆくゆく」の話であって、心が壊れそうな時、または心がすでに壊れちゃってる時には、問題から遠く離れ、逃げ出してしまう事をお勧めします。
とりあえず、問題を解決するのは、後回しにしてください。
心が落ち着き、精神状態が安定してからゆっくりと、問題に向き合ったら良いじゃないですか…。
まずは、逃げちゃいましょう。
心を壊しちゃうより、よっぽど良いと、思いませんか?
もう一度言います。
心が壊れた原因に、正面から向き合おうとする方がいます。やめてください。
そんなことは後で良いです。まずは逃げましょう。
さて、何に逃げましょうか?
我々は案外、狭い世界で生活しています。だいたいは、「仕事」、「家庭」、「友人」の3つくらいの人間関係でしょう。
仕事の関係で物事がうまく行かない方は、家庭に逃げましょう。
仕事も家庭もうまく行っていない方は、友人と過ごす時間を増やしましょう。
どんな人間関係でも良いです。まずは、逃げ場を作りましょう。
心が折れやすいと感じている方は、あらかじめ、逃げ場を作る努力をしておいた方が良いかも知れますんね。
● もしかすると、それは、うつ病じゃないかもしれません。
私もまだまだ未熟な鍼灸師ですが、長く臨床に携わっていると、「うつ病」をはじめとする精神疾患と診断された方の中には、「これ、本当に、うつ病か?」と、疑いたくなるような患者さんがたくさんおられます。
「統合失調症」と診断されたものの、どう見ても、ホルモン異常の患者さん…。
「うつ病」と診断されたものの、どう見ても、膠原病(おそらくリウマチ)の患者さん…。
「ナゾ」の首の痛みに長年悩み続け、どの医師からも結局、精神科への受診をすすめられていた患者さん…。
枚挙にいとまがありません。
東洋医学的には、精神と肉体は一つのものであるという考え方がありますので、精神を病んでいるのに、肉体は正常という方はおられません。
心に何らかの不調をかかえておられる方は、身体にも何らかなお問題が出てきて当然です。
その逆もしかりで、身体の何らかの不調が、精神的なものに影響を与えている場合も多いのです。
また、西洋医学的な検査で、「異常」が見つからない場合も多々あります。
いわゆる、病気になる前の、「未病(みびょう)」というものです。
この段階では、患者さんは何らかの不調を訴えられても、西洋医学的な検査でには、まったく何も引っかかって来ないものですから、医者も首をかしげ、「異常なし」あるいは、「気のせいでは?」 はては、「精神科を紹介します」になります。
もしかするとあなたの「うつ病」は、うつ病じゃないかもしれません。
もしかすると、身体の何らかの不調が、精神的なものに影響を与えているだけかもしれません。
もしかすると、身体の何らかの不調が原因で、身体がだるく、起き上がれないだけで、「自分はうつ病である」と、思い込まされているだけかもしれません。
ぜひ一度、鍼灸院のドアをたたき、色々相談されることをお勧めします。
● とは言うものの…
とは言うもの、「がんばらなくても良い」とか、「休んでも良い」とか、「心の問題をココロで解決しない」って言われても、そんな事ができれば、「うつ病」なんかになっていませんよね?
「それができないから、病気になってんじゃん!!」
って、話ですよね。
解ります。
その気持ち、充分解ります。
だからこそ、専門職としてカウンセラーがいたり、我々鍼灸師がいるわけです。
鍼灸師は、身体的な不調とココロの不調を、統一的にとらえ治療します。
また、自分の体験や臨床を通じて、患者さんのココロと向き合い、適切なアドバイスをしつつも、患者さんが患者さん自身の足で立って、問題を解決するサポートをしています。
サポートと書くと表現があいまいですかね。「手助け」といった方が良いですかね。
なぜ、それができるのか?
それは、いま、患者さんが、どの様な状態で苦しんでいるのかが、手に取るように分かるからです。
同じ「うつ病」でも、一人ひとり違います。
解決できそうな悩みに、ちょっとだけつまずいている方…。
悩みがちょっと深くなり、容易に抜け出せない方…。
ココロの問題もさることながら、頭のパルスが「ワー」となっている方…。
ココロに闇を抱えている方…。
抜け出せ無いトラウマに苦しめられている方…。
同じ「病名」でも、抱えている問題も、おかれている状況も、身体の状態も、ココロの在りようも、すべて違います。
だから、治療法もすべて違います。
一人ひとりに合った解決方法を、一緒にさぐる事によって、はじめて「手助け」ができるのです。
● 言葉をかみ殺していませんか?
よく似た言葉で、「言葉を飲み込む」と「言葉をかみ殺す」という言葉があります。
両方とも、「言いたい事を言わずに我慢する」という時に使われる言葉ですが、実は、この2つの言葉とその行動は、違った症状をあらわします。
つまり、言いたい事を言わずに、「言葉を飲み込む」時は、本当に、身体に悪いモノを飲み込むので、「胃」をはじめとする消化器系を悪くすることが多く有ります。
そして、首の前(男性ではのどぼとけのあたり、甲状腺が有るあたり)が急激にこって来て、のどがつまり、息がしにくくなります。
また、鎖骨の上あたりが異常にこり、ひどくなると吐き気がして来ます。
しかし、「言葉をかみ殺している」よりはマシです。
こり感が強く、息苦しいですが、「言葉をかみ殺している」人よりはまだマシです。
問題は、言葉をかみ殺している人・・・。
これはどういう状態かというと、「こんなこと思っちゃいけない」と、言葉を文字通り、かみ殺しているのです。
かみ殺したからといって、「胃」に影響が無くなるわけではありません。
もちろん、「胃」をはじめとする消化器系にも大きな影響が起こって来ます。
その上にプラスして、首の横が特にこって来ます。
この部位には、頭や脳に行く血管が多く通っていますし、耳、鼻にも影響が出てきます。
眼、耳、鼻、口(味覚など)の病気で、「原因不明」とされているものの多くに、このクビの横のコリが関係している方が多くおられます。
言葉をかみ殺す時に、クビの横の筋肉をそうとう使っているのでしょう。
言葉をかみ殺すタイプの人のクビの横は、ガッチガチにこっています。
最近は、「ポジティブシンキング」ブームで、「マイナスの事を思っちゃいけない、言っちゃいけない」と思っている人が多いのですが、そうではありません。
そりゃ、年がら年中、不平や不満ばかりを言って、自分で負のスパイラルに入り込み、抜け出せなくなっている人もいます。
そんな人は、心を入れ変えなきゃ治るモノも治りません。
そうではなく、かみ殺す必要もない言葉をかみ殺している人が多いので、「それはやめませんか?」と提案しています。
つまり、どうするか?
言葉をかみ殺さず、飲みこまず、吐きだしましょうよ。
現在は、ストレス社会と言われています。気に入らない上司、そりが合わない同僚、いっぱいいるはずです。
なるべく、出せる範囲で良いので、「気に入らない」と言う努力をしましょう。
意識して、不平・不満を言いましょう。
もし、本人の前で言えないのなら、「あいつ、死ねば良いのに!」と大きな声で愚痴を言える友達を作りましょう。
そうじゃないと、身体が持ちませんよ。
もう一度言います。
言葉はかみ殺さない。
言葉は飲みこまない。
できるだけ、吐き出しましょう。
それが出来ない人、吐き出す人がいない人は、愚楽庵/石部鍼灸院まで来て下さい。
愚痴の一つでも、聞かせてください。
● 周りの人ができる事
うつ病を患った人の、親や配偶者、子どもなど周りの人ができることは、「私はいつでも、ここに居るよ」というメッセージを適度に発し続けることです。
うつ病を患った人に、患った時の話を聞くと、「世界中でいきているのは、私だけじゃないかと思うくらいの孤独感」と「誰とも会いたくない、会話したくない、連絡も取りたくないと思うくらいの煩(わずら)わしさ」の両方が存在する、複雑な心境になると言います。
この両極端な感情が同居するのが、うつ病です。
この両極端な感情が同時に入り混じる人に対して、まわりの人ができることは、「話したくなったら、いつでも話を聞くからね」というメッセージを適度に発し続けることです。
あまりしつこく、発し続けると、「わずらわしい」が勝ってしまうので、しつこくしてはいけません。
しかし、そのメッセージを発しないと、「孤独感」が勝ってしまいます。
「いつでも、話を聞くよ」という姿勢は見せつつ、その姿勢が、うつ病を患っている人の「負担」にならないように、気を付けましょう。
あくまでも、うつ病を克服し、うつ状態から脱する事が出来るのは、その本人だけです。
周りの人には、患ってる本人が立ち上がるまで「待つ」という姿勢が大切です。
また、うつ病を患っているのが、友人の場合はどうでしょうか?
友人の場合は、「今しんどいかな?」とか、「誘っても良いかな?」という気を遣わずに、ドンドン誘ってあげて下さいと、アドバイスしています。
うつ病の場合、会う約束をしていても、約束の当日に起き上がれないくらい落ち込むことなどは、よくあることです。
そして、ドタキャンしてしまいます。
そして今度は、そのドタキャンをしたことが何度か重なると、約束をすること自体が怖くなり、外に出る事が出来なくなってしまいます。
あなたの友人が、もしうつ病にかかってしまったら、ドタキャンされても、怒らないでください。
メールなどの返信が遅くても、怒らないでください。
そして、また、遊びやランチに、誘ってやってください。
私が良く、アドバイスするのは、「KYになってください」という事です。
空気なんか読まずに、無神経に、遊びやランチに誘って下さい。
しかし、ドタキャンされても受け入れて、また、空気なんか読まずに、無神経に、遊びやランチに誘って下さい。
いやなら行きませんし、行けなかったら、メールなどの返信が遅いはずなので、さっしてあげましょう。
なかなか、難しいですが、上で書いたことと、けっきょくは同じことを言っています。
「いつでも、話を聞くよ」という姿勢は見せつつ、患ってる本人が立ち上がるまで「待つ」という姿勢が大切です。
●鍼灸師に向けて、治療のヒント。 「ストレス」反応のタイプ別の出方
まず、「ココロの病」や「ストレス反応」の診断で使う部位は、
手の陰経(主に手の少陰心経と手の厥陰心包経)、
手のひら(労宮穴付近)、
胸の中、
胃の裏(心兪穴付近)の4つです。
ここを注意深く、診ることです。
つぎに、ストレス(ストレッサー)を受けた人があらす症状に、パターンがあるのではないかと考えています。 そのタイプの分け方を、ご紹介します。
肝臓に来るタイプの人。胃・消化器系に来るタイプの人。肩・首のコリに来るタイプの人(心・肺系の疾患も含む)の3つです。
●肝臓タイプ。
この方は、イライラしているタイプの人です。
いつも、何が気に入らないというわけでもないのですが、イライラ、イライラしています。
そして何か気に入らないことが起き、怒りを吐き出せる場合には、烈火のごとく怒り出します。
男性の場合は、赤ら顔で血の気が多い人、女性の場合は、ヒステリーっぽい人は肝臓タイプです。
東洋医学的には「肝症」タイプの人がそれです。
西洋医学的な病名をつけるならば、ストレスを受けた後、心臓神経症、不整脈、高血圧などを発症します。
単純性肥満症、糖尿病など。片頭痛、筋緊張性頭痛ヒステリー、吃音。アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、慢性じんましん、湿疹。アレルギー性鼻炎、メニエル症候群。眼精疲労、眼瞼けいれん。月経困難症、無月経などを発症しやすくなります。
もちろん上記に加え、肝炎、脂肪肝、肝硬変、肝臓ガンも含まれてきます。
●胃・消化器タイプ。
この方は、いつも一人でクヨクヨ悩みます。
同じことを「あーでも無い、こーうでも無い…」と悩みます。同じところをぐるぐるぐるぐる回って、結局同じ結論しか出ないのに、まだまだ悩みます。
肝臓タイプの人は、人にバーっと悩みごとや不満を爆発させるとスッキリしますが、このタイプの人は、不満を爆発させたことを逆にストレスに感じます。
「ちょっと言い過ぎたかな~」、「言わなかったらよかった…」などと、悩みます。
相談のってもらってもし、誰かの相談を受けても、悩みます。
西洋医学的な病名をつけるならば、ストレスを受けた後、過換気症候群、気管支ぜんそくなどを発症します。
胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、神経性嘔吐。心臓神経症。片頭痛、起立性調節障害、神経性食思不振症、ヒステリー。アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、慢性じんましん、湿疹など。アレルギー性鼻炎。眼精疲労、かすみ目。月経困難症、無月経。夜尿症、神経性頻尿などを発症します。
もちろん上記に加え、胃炎・胃潰瘍など、すい炎、すい臓がん、胃がん等も含まれてきます。
●肩・首のコリに来るタイプ。
ストレスが、首・肩のくる方がおられます。このタイプの人は、要注意です。
本人さん(患者さん)は、「肩こりひどいな~」というくらいの感覚しかありませんので、それほどひどいという自覚症状は有りません。
しかし、この3つのタイプの中では、一番危険です。なぜなら、心蔵・肺蔵系の疾患もこのグループに含まれるからです。
このタイプの人は、いつも何か不安を抱えています。
「何か心配なことがある」というわけではないのですが、いつも何かにおわれるように心配しています。
「これで良いんだろうか、これで良いんだろうか」と不安にさいなまれます。
胸の中に、もやもやしたものが有り、離れようとはしません。
このもやもやしたものが心と肺をおかし、首と肩を詰まらせるわけですが、表に出てくる症状が、「肩コリ、首のコリ」だけですので、みなさん「大したことはない」と、油断します。
西洋医学的な病名をつけるならば、、ストレスを受けた後、過換気症候群、気管支ぜんそくなどを発症します。胃・十二指腸潰瘍、神経性嘔吐。心臓神経症、不整脈、高血圧、低血圧。片頭痛、筋緊張性頭痛、起立性調節障害、神経性食思不振症。眼精疲労、眼瞼けいれん。月経困難症、無月経。夜尿症、神経性頻尿などを発症します。
もちろん上記に加え、狭心症、虚血性脳疾患なども含まれてきます。
重複している病名もありますが、「原因」と「結果」は必ずしも「1対1の関係」では有りませんので、これで間違いではありません。
もちろんこれ以外にも、病名をつけようと思うならば、いろいろな名前をつけることは可能です。しかし、病名を羅列してもあまり意味がありませんのでやめておきましょう。
上記の3タイプは、便宜上3つに分けただけです。実際の人間の心と身体は、こんな風に3つのタイプに分けられるものではありません。人間も生きものならば、病気も生きものです。
今日は肝臓タイプの人も、明日は胃のタイプに変わりますし、「限りなく心・肺系に近い、肝臓タイプ」という人もいます。上記のように、簡単に分けられるものではありません。
さて、実際の治療としては、症例報告を見ていただくとして、大まかな治療法と、患者さんの心の持ちようを書いておきます。
治療の基本は、胸や腹の上部で、「もやもや」もしくは「どろどろ」とくすぶっている「悪いもの(邪気)」を抜いてやります。
1回で取れないときは2回、2回で取れないときは3回と回数を重ねていきます。
回数を重ねていくと、ある時期を境に、昨日までがどんよりと沈んでいた世界が、ウソのように楽になります。
しかし、また「元の木阿弥」になり、気分の晴れない日が続きます。
しかし、あきらめずに鍼灸治療を続けていると、またある時期を境に、「昨日までが私がウソのよう!」と思えるような時期がやってきます。そしてまた、悪い時期がきて・・・、そしてまた、良い時期がきます。
しかし、気づいてみるとあらビックリ!! 「あっ、オレ、治ってるじゃん!(なぜか関東弁)」って、なっているじゃありませんか!(下図参照)
実際の心の動きは、良くなったり、悪くなったりのくりかえしのように感じます(下図赤線)。
しかし、長いスタンスでみれば、全体的に、良い方向に向かって行きます(下図黄線)。
図にするとこんな感じです(下記)。
●私のうつ病体験
約10年前の38歳の初冬、私はうつ病にかかりました。
朝起きると、とにかく身体がだるい。
「何もしたくない…」という状態になりました。
鍼灸の予約や、往診の約束がある日は、なんとか這ってでも治療に向かいましたが、基本身体もココロもついては来ませんでした。
朝から晩まで、こたつに潜り込み、ファンヒータを背中からあて、身体を温めました。
翌年の春ごろ、少し動けるようになってきたある日、鍼灸師仲間とご飯を食べに行ったとき、「石部先生、それ、うつ病違いますの?」と指摘され、ようやく、自分がうつ病にかかっていると、理解しました。
うつ病の知識は、もちろんあります。
患者さんの中にも、うつ病を早期に発見して、治癒に導き、感謝されるというような経験をしたことがあります。
治療もし、臨床も積んで来たのに、いざ自分がうつ病にかかってしまうと、分からなくなるのが、うつ病です。
それは、「うつ病だと認めたくない」と言う心理状態ではなく、本当に分からないのです。
うつ病になってまずできなくなったのが、「覚える事が出来ない」というモノでした。
よく、インターネット上で、「以下の5ケタの数字を、箱の中に書き込んでください」と言う指示が出ますが、その5ケタの数字を覚える事が出来なくなってしまいました。
どうしても、打ち込む必要が出来た時は、2~3文字覚えて、打ち込み、上にスクロールして、また打ち込むという作業をしていました。
次にできなくなったことは、「本を読むこと」です。
それまで私は本の虫で、いつでも本を読んでいました。
それが、2ページも本を読むとイライラして来て、まったく読めません。
読むことを断念しました。
もちろん、メールの返信もできません。
「下記、了解しました」という簡単な文言が打てず、放置し、2週間も返信がおくれることがありました。
「この世の中に、生きているのは私一人しかいないんじゃないか」と言う孤独感と、
「誰とも会いたくない、一人にしてくれ」と言う関係性をたちたい感情と、
この相反する感情が、一つの生命体に同居するのが、うつ病です。
私自身が鍼灸師なので、私に鍼が打てないので、鍼灸治療は断念しましたが、鍼灸治療をぜひ受けてください。
お願いいたします。