婦人科疾患の治し方

生理のリズムをよく聞き、それにあわせて治療すること。

腹をさし、背中をさして、足にひくこと。

基本は三陰交、三里。

また、足の第4指、第5指から血を出すによろし。

たちまちに、癒えるなり。

婦人科疾患と言っても、様々な病名があります。
単純な生理不順から始まり、生理痛、生理前症候群などなど…。
また、病名によれば、チョコレート嚢胞、子宮筋腫、子宮がんなどなど…。
不妊治療を鍼灸院でする方もおられます。
それらを治療するわけです。

婦人科疾患の各論部分は、他書に譲ります。
また、各病気の西洋医学的な解説は省きます。
各自、参照してください。

一番のポイントは、生理のリズムに合わせて治療することです。
これをおろそかにしている鍼灸師の実に多いこと。
大問題です。
みなさんはぜひ、このリズムを把握したうえで、治療を開始してください。


28日周期なら、一番わかりやすいですね。
図に起こしてみました。

生理の時が一番「熱量」が高く。
そこから一気に下がります(熱量は一番低い)。
そして、排卵期が2番目に熱量が高くなり。
排卵から生理までの期間が、3番目に高くなります(妊娠準備)。

この熱量を知っていれば、多くの情報がもたらされます。
たとえば、「生理と排卵の間なのに、なんだこの熱量は?」となりますし、
「まー、排卵期やし、これくらいの熱量はあるよね。」となります。
もちろん、患部から感じる、邪気によっても診断はつきますが、このメカニズムを頭に入れているかどうかで、その後の治療方針も変わって来ますので、入れておいて下さい。


さて、実際の治療ですが、各論は各論にまかせるとして、おおまかな基本ラインだけ、書いておきましょう。

まず、お腹へ刺鍼します。
この時、お腹の状態が様々ですので、一概には言えませんが、虚あれば補法を、実あれば瀉法をほどこします。
もちろん、乱暴にしては行けません。
瀉法だからといって、乱暴にやるのは厳禁です。

つぎに、背中(腰)に治療もします。
子宮ですから、胃倉穴や志室穴をよく使いますが、よく探って、硬い所が治療ポイントです。
おそらく、瀉法でしょう。

つぎに、足をさします。
基本は、三陰交穴は足三里穴。
ここは、じっくり・ゆっくりやっても良いかもしれません。
基本は、陰経(三陰交穴)は補、陽経(三里穴)は瀉です。

これで、婦人科疾患の治療は終わりです。
ただ、たんなる生理痛や生理不順ではこれだけでも良いですが、病名がついている婦人科疾患では、これだけでは足りません。
刺絡もします。
多くは、第4指と、第5指です。
井穴刺絡です。

たちどころに癒えるかどうか、お試し下さい。