顎関節症の治しかた


顎関節周囲の筋肉をよく探り、硬くなっている筋肉を緩めます。

合谷穴や三里穴に鍼やお灸をします。

思った以上に治らない場合は、精神的ストレスが顎関節症の原因になっています。



顎関節症は現在、顎関節とその周囲の筋肉や神経の障害とされており、精神的ストレスや歯ぎしりなどが要因とされています。

顎関節症には、咀嚼筋や側頭筋など、頭部だけで17もの筋肉が関係し、頸部も足せば数えきれないほどの筋肉が関係します。


顎関節症の患者さんがあらわれたら、まず、口の開閉状態を確認し、顎関節付近の筋肉を触り、どの筋肉が硬くなっているのかを確認する作業から始めます。

そして、硬くなっている筋肉を緩めてやれば、顎関節症は治ります。

なぜ顎関節症がおこるか詳しくいえば、「顎関節周囲のどこかで筋肉が硬くなる」→「筋肉が骨を引っ張る」→「顎関節がゆがむ」→「顎関節が痛む」の流れになっています。

だから顎関節は、顎関節周囲のどこかで硬くなっている筋肉を、緩めてやるだけで治ります。

顎関節症が主訴で鍼灸院に患者さんがあらわれる事は、あまりありませんが、体調管理に通っている患者さんが、「なんか昨日から、あごがカクカク言うんですよね~」と訴えられることはよくあります。

そんなとき、一発でキレイに治せたら、かっこいいと思いませんか?

ぜひ、治してください。


顎関節周囲の筋肉を緩めるとともに、経絡も利用して治しましょう。

経絡を使う場合は、手の陽明経(大腸経)の合谷穴や足の陽明経(胃経)の三里穴などを使います。

「合谷・三里」と決め打ちしても良いくらいですが、一応、手の陽明経と足の陽明経のどこに反応が出てもおかしくないので、どこにツボがあらわれているか、確認してツボは使ってください。

とくに、手の陽明経(大腸経)は古来、「歯脈」と呼ばれていましたので、歯や歯の周囲の疾患に用いられてきました。

もちろん、額関節症にも効きます。

また、足の陽明経(胃経)は消化器系によく使う経絡です。

顎関節は消化器系の入り口です。

また、合谷穴は上顎部に、足三里穴は下顎部に効くと言われています。


さて、問題は、一発でキレイに治せない時です。

そんな時は、「精神的ストレス」が顎関節症と、深く関係しています。

ストレス自体の治しかたは、他のページを見てもらいたいのですが、ためしに胸鎖乳突筋あたりを探ってみて下さい。

かならず、筋肉が硬くなっています。

これは、「言葉を噛み殺す」という慣用句がありますが、患者さんはグッと歯を食いしばり、言葉をじっさいに噛み殺しています。

この噛みしめる行為が続くと、筋肉が凝り、顎関節症をおこします。

首の筋肉(胸鎖乳突筋など)を緩めるとともに、「言葉を噛み殺していませんか?」「言いたいことは、我慢せずに言った方が良いですよ」など、相談にのりアドバイスすることも必要です。