リウマチ様の痛み(リウマチ様の痛みが、自宅灸により半年で消症した症例)
患者
S・Mさま。70歳代前半。女性。
主な症状(主訴)
リウマチ様の両拇指・両次指の痛み、こわばり。
左の指の方が、右指より痛い。
症状(現病歴)
指の痛みは両方あるが、左のほうが強い。
おもに親指と人差し指が痛むが、他の指が痛くなる時もある。
こわばりは一日中あるが、朝がとくにつらい。
肩がコリやすく、いつも頭が重い。
念のため、整形外科を受診してもらったが、「原因不明」の「関節炎」と診断された。
東洋医学的 四診(所見)
脈診/全体的に沈んでいるが、力はある(沈・実)。
舌診/裏面にオ血あり。
腹診/下図参照。
腹部全体はぽちゃぽちゃと膨らみ、水をはらんでいる印象。
ぽちゃぽちゃと柔らかいが、指を入れようとすると抵抗がある。
下腹部手術痕(子宮筋腫)を中心に「寒」。
触診/手足に変わったところはない。
東洋医学的な概念的理解(診断)
脈診では、病が深くに存在していることを示している。
舌診では、オ血があることを示している。
腹診では、下焦に子宮筋腫の手術痕があり、冷えている(「寒」)。
この手術痕が経絡の流れを阻害し、下焦を「寒」にいたらしめている原因のように感じられる。
おそらくオ血の関係もあり、下焦に「毒(血毒)」が存在し、下焦は「寒・実」の状態を呈しているのであろう。
また、腹部は全体的にポチャポチャと水をはらんでいるようで、はりが無く、触ると波打つ。
これは「おそらく」の域を脱しないが、子宮の位置と腎臓の位置が近いため、子宮筋腫の手術が「腎」に何らかの影響を与えているものと考えられる。
東洋医学的には「腎」は、「水をつかさどる」ということになっている。
治療と経過
初診(某年 7月2日)
治療は「法」に従う。
この患者さん場合も、腹部の治療が「主」、指の痛みの治療が「従」となる。
しかし、痛みがはげしい場合はこの限りではない。
この患者さんの場合、初診時、痛みが一番はげしい時を10とすると、「6~7くらい」だと言う事なので、腹が「主」、手が「従」となる。
具体的には、
①腹部の寒を温める鍼。
②指、手首の邪気を散じる鍼。
第二診(7月9日) 治療は「第一診」に同じ。
第三診(7月16日)
第一診の治療に加え、灸も始める。
大椎(だいつい)穴に五壮。
第四診(7月23日)
第三診の治療に色々加えたり、または引いたりしながら施術をする。
この後、約半年間、週1回のペースで治療を続け、痛みがほとんどなくなった頃来なくなる。一応、「治癒」とみなしてカルテを閉じる。
感想(考察)
この患者さんは、素直に自宅でも灸を続けられたので、治りが早かったように感じます。
なかなかお灸を進めても、続けてくれませんが、続ければ続けるほど、身体が楽な日が続き、治りも早いです。
この患者さんの場合、最初は痛みがきつかったのですが、2~3回の治療でほぼ痛みがなくなりました。
リウマチの患者さんは、初期に症状がきつく出た方が、早く治る(症状が治まる)方が多いようです。
しかし、痛みや腫れが徐々に出てくる方は、かえって長引いてしまうようです。
また、症状が治まったからといって安心せず、鍼や灸治療を長く続けましょう。
痛みがこんなに早く消える症例も、本当に珍しい。
多くは、何年、何十年も、痛みとハレを繰り返すものです。