目の付け所は、手の太陰肺経。
場合によって、表裏の関係上、手の陽明大腸経を使う。
場合によって、背中の関連するツボを使う。
場合によって、足の陽明胃経の足三里穴なども使う。
「感染症」と一言で言ってもその範囲は広く、感染の主なものを挙げても、細菌、ウイルス、真菌、リケッチア、クラミジア、マイコプラズマ、原虫、寄生虫などなど、多岐にわたる。
詳細はほかの項目に譲るとして、ここでは、細菌やウイルスなどの「風邪症状」にしぼって、お話しします。
東洋医学の世界、とくに、湯液(漢方薬)の世界では、風邪のことを「傷寒」と言います。
面白いことに、きつい風邪(インフルエンザなど)のことを、「きつい傷寒」と言い、きつくないただの風邪を、「きつくない傷寒」と言います。
これはただ単に、「原因を追究する細菌学などが発達していなかった」というより、「原因はともかく、症状によって、治療の対応を変えていた」と言うほうが正しいでしょう。
ここでは一般的なただの「風邪」について、お話しします。
感染症・風邪症候群の目の付け所は、やはり、手の太陰肺経になります。
風邪=肺。
基本中の基本ですね。
ツボの指定はしませんが、よく使うツボとしては、太淵穴、経渠穴、列缺穴、魚際穴、尺沢穴などです。
必要に応じて、表裏の関係上、手の陽明大腸経も使います。
感染症の治療として、手の太陰肺経のみ一択でも良いですが、ヤマイの深さによって、手の少陰心経や手の厥陰心包経に流れて行っている可能性もあるので、念のため、ツボの反応を確認し、反応があればそちらを優先して刺し、反応がなければ無視します。
補助的に、経絡の表裏の関係で、手の陽明大腸経も探りますが、肺経と大腸経の結びつきを、私はそこまで強く感じませんので、「念のため探る」くらいでいいでしょう。
感染症が上気道を突破し、呼吸器(臓器としての肺臓)まで到達している場合は、背中の肺兪穴付近(風門穴や肺兪穴の横の魄戸穴、大椎穴など)の筋肉も緊張しているので、緩めておくと呼吸が楽になり、身体が楽になります。
「風邪に魚際」や「風邪に大椎」などとよく言われますが、これらのツボもよく使われます。
昔からよく言われてることは、普遍性があります。
従っときましょう。
鍼でもいいですが、お灸などが気持ちいいでしょう。
風邪の初期症状を通りすぎ、肺臓も過ぎ、やや長期化すると、必ず消化器にも影響が出てきます。
感染から少し時間がたったものは、足の陽明胃経をさぐり、反応を確認しておきます。
足三里穴などが、よく使われます。
裏の足の太陰脾経はどうしましょうか?
私は使う必然を感じません。